「この世界の片隅で」を観ました

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    NHKで放映していたので観ました。
    アニメは初見ですが、テレビドラマは毎週観ていたので、
    大体のストーリーは知っています。

    丁寧に作られた、きれいなアニメですね。
    絵柄がかわいいので、見入ってしまいました。

    二十歳にもならないうちに、
    どこの誰とも知らない所にポイッと嫁に出されて、
    一日中、家事労働をしないといけない。

    ハハは、スズさんみたいな、
    ぽーっとしてる女を憎んでいるので、ケチをつけまくり。
    でもなあ、これぐらいじゃないと、
    耐えられないんじゃないかな、こんな状況。

    私だったら、絶対無理だ。
    私は、自分の意志や気持ちを無視して、
    誰かの都合が優先されることは耐えられない。
    例え、先様がいい人揃いでも絶対に受け入れられない。

    スズさんがぽーっとしてるのは、
    資質もあるけど、家族の人柄が良かったからだと思う。
    朝から晩まで重箱の隅をつつくような小言を言われて、
    何をやっても文句言われて育ったら、こうはならない。

    それにしても、スズさんの家事労働能力には恐れ入る。
    ぽーっとしてたら、こんなに働けないから、
    彼女は、ぽーっとしてるんじゃなくて、
    本当に優しい、いい人過ぎる人なのだろう。

    私の伯父は、16歳で志願して海軍に入った。
    スズさんの幼馴染の水原君と
    同じような水兵だったと思うけど、
    終戦の時は主計局所属で、
    書類を焼きに毎日出かけたそうだ。
    確か大正15年生まれだから、二十歳だったんだね。

    乗っていた艦船は「榛名」。
    あの、大和も見たそうだ。
    山かと思ったら船だったから、ビックリしたんだって。
    水兵がド肝抜かれるぐらい大きいのだから、
    どれだけ大きかったか。

    榛名で、戦闘も経験してる。
    上にいて、下が攻撃されたから、下に行ったら、
    上が攻撃されて、命拾いしたそうだ。

    盲腸になって、雑な手術されたので、
    お腹に恐ろしいような大きい傷かあった。

    人には言えないような事もあったと思う。
    聞きたくないような事もあったと思うから、
    きっと全部は聞けなかったと思う。
    それでも、できる限りは聞けばよかったと思う。

    私は、映画漬けの子供で、
    戦争映画もよく観ていたから、
    伯父の話には抵抗は無かったし、
    多分、もしかしたら、
    彼の妻子よりもよく聞いてあげたのかもしれない。

    戦後の左翼思想が幅を聞かせる世の中で、
    伯父は、彼なりに注意してたのかもしれないのだけど、
    「戦争はやったらいかん、絶対にいかん」
    とは、よく言っていた。
    でも、きっと、自分の経験を悪のように言われることは、
    きっと耐えられなかったと思う。
    私は、子供過ぎて何も言えなかったけど、
    今なら、
    負け戦は絶対にやっちゃいかんね、と、言うと思う。
    どんな手を使っても、
    やるとなったら勝たないといけない。
    そして私のような底辺の庶民が
    一番酷い目に遭わされる。
    上級国民の方々は無傷で済む。
    だから、戦争はやってはいけない。

    スズさんは、絵を描く利き手を失い、
    両親も妹も失う。
    辛すぎる。
    比べることは出来ないけど、
    娘を失った、お義姉さんの悲しみ辛さの方が
    地獄だとも思う。
    生きてられなくてもおかしくない。

    原爆で孤児になった少女が、
    お義姉さんを救うことになるのは、涙か出た。
    お義姉さんも優しい人だ。

    そう、この作品には、
    優しい、いい人しか出てこない。
    そこが甘いと言えば甘いのかもしれない。
    どこまでも意地の悪い人、
    悪意しか人に向けない人、
    アタマがとことん悪い人、
    こズルい卑怯な人、
    そんな人はどこにでもいるし、
    出会ったら災難だ。
    そういう人が一人もいない世界だから、
    ストレスなく観られるのだと思う。

    伯父の話に戻るけれど、
    もちろん彼も呉にいた。
    そこで何があったか知らないのだけど、
    「呉」と言う単語だけで、
    伯父は号泣する事もあったそうだ。

    このアニメの、美しく描かれた呉の景色を、
    今で言えば高校生ぐらいの伯父は
    見ていたのだろう。
    一度、海軍さんはスゴくモテたっていうから、
    伯父さんもモテた?って聞いた事があった。
    ニャァ〜って笑って、
    そら、もう、ってだけ言ったから、
    きっと色々あったのだろうね。

    伯父は決して、清廉潔白な善人だったわけではない。
    田舎の横柄な、頑固な、強欲な、
    これが父親だったら私は嫌だと思う人だった。
    それでも、もっと話を聞いておけばよかったと思う。

    私の断片的な記憶も薄れてくる。
    だから、自分の主観や想像は
    さしはさまないようにだけは
    注意して書いている。

    昨日だったか、テレビニュースで、
    広島で、電車で子供たちに
    原爆の体験を聞かせる催しがあったそうだか、
    あまりに幼い子供に、
    そういう話を聞かせるのは、私は断固反対だ。
    老人の自己満足のエゴだと思う。
    せめて中学生以上にしてほしい。

    年端もいかない幼児に、
    世の中の、人間の世界の
    酷たらしい現実を聞かせる事は、
    私は虐待だとさえ思う。
    心に深い深い傷を残してたまま、
    成長とともにそんな話は忘れていく。
    でも、傷跡は残る。
    虐待でしかない。

    年端もいかない幼児に聞かせていいのは、
    世界の美しさ、人の優しさだと思う。
    これから、楽しいことがいっぱいあるよ、
    明日はもっと楽しいよ、
    みんな優しいね、良くしてくれるね、
    だから、同じように良くしようね、
    と、私は云いたい。
    自分が、満身創痍で憎悪にまみれていても、
    小さい子には、必ず、そう言いたいし、言う。

    世界のおぞましさを知るのは、
    それに気がついてしまった時でいい。
    それから考えればいい。

    年端もいかない幼児に、
    得意げに語っていた、お婆さんは、
    スズさん夫婦が引き取った戦災孤児と
    同年代なのかもしれない。
    辛かっただろうし、聞いてほしいだろうし、
    証言として大事だと思う。
    でも、幼児に聞かせるのは私は賛成は出来ない。
    中学生以上にしてほしい。

    コメント
    大和、史上最大の戦艦で263メートルだったのですね。
    大きいですね。

    とてつもない迫力だったのですね。
    • まるる
    • 2019/08/06 10:55 PM
    こんにちは。
    このお話は存じないのですが、昔呉市の直ぐ近くの江田島の旧海軍兵学校に見学に行った事があります。
    昔の事で、殆ど覚えていないのですが人間魚雷が展示されていました。
    大きな鉄の悲しみの塊に見えました。

    伯父様、呉と聞いただけで号泣される事もあられたのですね。
    16歳で志願されて海軍に入られたのですね。
    一体どんな事があったのでしょうか。
    とても計り知れません。。

    大和をご覧になられて山かと思われたのですか。
    どれほど大きかったのでしょう。
    とっさの行動で命拾いをされたのですね。
    こういった事は体験されたご本人様からしか伺う事は出来ないので本当に貴重なお話ですね。

    悲惨な戦争の事が風化される事は、本当に恐ろしい事です。
    でもしばてん先生がおっしゃるように幼児に惨い話をしても駄目ですよね。
    よく理解出来ず大きな傷が残るだけだと思います。

    いつも貴重なお話をどうもありがとうございます。
    • まるる
    • 2019/08/06 10:45 PM
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