「今夜、ロマンス劇場で」

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    たまたまテレビで見ました。

     

    <ストーリー>
    映画監督を夢見る青年・健司(坂口健太郎)が密かに想いを寄せるのは、
    通い慣れた映画館・ロマンス劇場の映写室で見つけた古いモノクロ映画のお姫様・美雪(綾瀬はるか)。

    今は誰も見なくなったその映画を、毎日のようにくり返し見ていた健司の前に、ある日奇跡が起きる。
    美雪が健司の目の前に突然現れたのだ。
    その日から2人の不思議な同居生活が始まった。
    モノクロの世界しか知らない美雪にカラフルな現実世界を案内する健司。
    同じ時間を過ごす中で、2人は次第に惹かれ合っていく。

    しかし、美雪にはある秘密があった。現実の世界に来るための代償で、人のぬくもりに触れたら美雪は消えてしまうのだ。
    そんな中、美雪は映画会社の社長令嬢・塔子(本田翼)が健司に想いを寄せていることを知る。
    好きだから触れたい、でも触れられない……。
    この切ない真実に2人はどう向き合い、どんな答えを出すのかーー

     

     

    昭和30年代の映画撮影所が舞台です。

    レトロな雰囲気がとても素敵に見えるあたり、この時代ももう「時代」なのですねえ。

    北村一輝さん演じるスタァさん「ハンサムガイ」は、

    きっと赤木圭一郎さん(観たことない)や、

    小林旭さん(観たことある)がモデルなのかもしれません。

    それより「鎌田行進曲」の銀ちゃんにそっくりです。

    北村一輝さんは上手い、いい俳優さんになりましたねえ。

     

    中盤あたりまで、傲慢で乱暴な姫(美雪)に、イラっとさせられますが、

    終盤で、彼女がすぐに暴力をふるう理由が判って、あ、うまい、やられた、と思いました。

    セリフで説明せずに、気が付いた人だけ気が付けばいいという姿勢は好きです。

    他にも細かな伏線があちこち、ちりばめられています。

    多分、何回も観ないと気が付かないでしょう。

     

    加藤剛さんは、これが遺作になったそうです。

    すっかり素敵なおじいさんになった加藤さんの実年齢そのままの役どころに泣きました。

    このおじいさん役はズルいよ。(´;ω;`)ウゥゥ

     

    姫は、あくまでも映画の登場人物であって、女優の実像ではないみたいです。

    これはつまり、架空の理想のヒロインと一生を添い遂げた幸せな男の話なのです。

     

    この一生、ほんとにこれでいいのか?(´・_・`)

     

    私には、彼がまるで「牡丹灯籠」のように、憑りつかれたようにも見えました。

    家族も作らず持たず、架空の存在(実存はしているけれど)と一生を過ごす。

    自分はどんどん年を取るけれど、彼女はそのまま変わらない。

    そして、絶対に触れることはできない。

     

    それでも二人は幸せそうだけれども、

    傍から見たら、ヤバい女が憑りついている!としか見えないのではなかろうか。

     

    うん、きっとそれでもいいのでしょうね。

    「牡丹灯籠」の主人公も、最後は憑り殺されてしまうけど、

    幸せそうな死に顔だったと描写されていたと思います。

     

    健司は、結局、働いていた映画会社も倒産してしまい、

    映画監督の夢は潰え、たぶん、映画館で働かせてもらって、

    事情を知っているオーナーの後を継いで、閉館まで映画館で生活したのでしょう。

    きっと幸せな一生だったのでしょう。

     

    しかしながら、美雪は年を取りません。

    これでは、一か所にとどまるのはできないのではないかと思います。(´・_・`)

    10年が限界かと思います。

    10年ごとに、誰も知る人のない土地に転居していかないといけないというのは

    実際問題キツイはずです。

     

    (そういう描写がなかったようなので、もしかしたら、美雪は極力人前には出ないで、

     映画館に隠れ住んだのかもしれません。

     まるでオペラ座の怪人です。

     描写はありませんが、彼女の実態は「白黒」なので、きっと食べないし出さないのでしょう。)

     

    最初は妻で通っても、次は娘、そして孫娘、です。

    もちろん、 健司は、自分の親や兄弟や親族とも縁遠くならないと仕方がないだろうし、

    友人とも10年ごとに切れないといけない。

    きついですよ。

    それでも、この人、この存在だけいればいいというのは、

    私はもう、彼自身がこの世のものではないと思います。

     

    きっと、ちょっと前の時代の作品なら、

    美雪は健司を彼の現実の人生に戻すために、自ら消えていったのではないかと思います。

    999のメーテルみたいな感じです。

     

    でも、消えない。

    一生憑りつく。

     

    これはつまり、どんな人生でも、本人がそれを望んで選択していい。

    他人の価値観や人生観に沿う必要はもうないのだと、言っているのかもしれません。

    傍から見て理解不能で、不幸そうにしか見えなくても、

    本人が幸せならそれでいい、ということ。

    たとえ、破滅でもいいじゃないかと。

     

    そう思って観ると、私にはすごく怖い、これはホラー作品です。

     

    ラストの「タイタニック」みたいなシーンは、これは余計かな。

    これは無かった方がいいと思います。

     

    あと、ナースちゃんがとても良かった。

    健司さんを最後の最後に幸せにしたのは、

    美雪ではなく、ナースちゃんだと私は思います。

     

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    コメント
    こんにちは。
    ロマンス劇場で、の解説ありがとうございます。
    放送していたの存じませんでした。

    いろんな例えがあり面白いです。
    銀ちゃんですか。つかこうへいさんの作品て好き嫌い分かれる感じでしょうか。
    (私はあまり好きではないです(^^;)

    そしてメーテル!
    999、好きで観てました^^。
    好きで登場人物の名前を私が弟に付けました笑。
    (子供の思い付きなのに、よく親が採用したなと思います(^^;)


    >一生憑りつく
    いろんな意味でホラーなのですねΣ(・□・;)。
    • まるる
    • 2020/05/20 8:38 PM
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